おわりに

      人の手によって掘られた廃坑は自然洞穴に比べ幾分不気味さが漂うもので
    あるが、第2坑道の複雑に曲折・分岐する支洞の調査では、夢中になってしまっ
    た。

    想像以上の規模と複雑さを有する坑道調査は、思った以上にスリリングなものと
    なり、反面竹内氏らによる第2坑道の測量調査は、その複雑な構造上大変だっ
    たようである。

    この近辺には何ヶ所かの同様なマンガン廃鉱が存在するようであるが、いずれ
    も記録が残されていないようなので、形ばかりの報告書ではあるが、記録をとど
    める意味で纏めることとした。

      今回調査した小野のマンガン廃坑は、一部の坑道に脆い岩盤が見られるなど
    現状での入洞には注意が必要であるが、各坑道は丁寧に掘り込まれており、岩
    盤の状況も概ね安定しているので、坑道を限定したり探索ルートを設定するなど
    相応の安全処置を施す事により、引佐郡におけるマンガン採鉱の生きた歴史を
    学ぶ場として活用することも可能であろう。

    また、コウモリも多数生息しており、比較的容易に観察できることから、生態系に
    配慮した中でのコウモリ観察会や洞内ウォークラリーの場を提供し、子供たちの
    情操教育を培うフィールドとしての活用も考えられる。

    それ程、規模と変化に富んだ坑道形態を有するものである。
    なお、藤田勇氏(細江町小野)には暑い中、長時間にわたりマンガン採掘当時の
    話をお聞きした。感謝するものである。

     また、今回の調査にあたり、前嶋組株式会社の梅藤勇工事部長には格別な御
    配慮をいただいた。
記して感謝申し上げるものである。 

       参考資料

      地質調査所 1954『5万分の1地質図幅説明書 秋葉山』
      細江町 1989『細江町史・通史編上』



目次へ戻る    前のページへ 
  目次へ      前のページへ