石灰岩に形成された洞窟(石灰洞)で、特に鍾乳石の発達した洞窟。
①雨は大気中の二酸化炭素を取り込んで、弱い酸性になります。
②石灰岩地帯に降った雨は、岩の小さな割れ目や断層に沿って地下に浸透します。
③まわりの石灰岩を少しづつ溶かして、次第に割れ目を大きくしていきます。
④自然環境によっても異なりますが、人が入れるようになるまでには何万年単位のとても長い年月がかかっています。
さまざまな鍾乳石で彩られた神秘的な空間も、永遠ではありません。鍾乳洞も発生期から成長期を経て、やがて崩壊期を迎えます。
発生期
成長期
崩壊期
発生期
石灰岩の節理や断層に沿ってしみ込んだ雨水が割れ目にたまり、石灰岩を溶かしながら洞窟を拡大していく。
成長期
やがて、それぞれの空洞が連結し地表まで達すると、
地下水流は盛んに石灰岩を溶食や侵食し洞窟をさらに拡大していく。
洞窟内には鍾乳石が発達し、空間を次第に埋め尽くしていき、
水流は下部へと新たに洞窟を形成していく。
鍾乳洞の最も美しい時期でもある。
崩壊期
洞口が大きくなるにつれて、鍾乳石も乾燥・風化していき、
地表から土砂などが大量に流入し、洞窟内に堆積するようになる。
また、地震による落盤や崩落により、鍾乳洞の大部分が崩壊し土砂で埋め尽くされてしまう。
こうして、長い年月をかけて形成された鍾乳洞がその一生を終える。
CO2+H2O→H2CO3
二酸化炭素 雨水 弱酸性の水
CaCO3+H2CO3→CaHCO3++HCO3-
石灰岩 弱酸性の水 炭酸水素カルシウムイオン
(地下水流とともに洞外へ流れ出る)
雨水で溶かされ、溝が出来たり柱状になった石灰岩。カッレンが形成された一帯を、カッレンフェルトと言います。
すり鉢状の窪地で、雨水を集めて地下へと流れ込むので吸い込み穴とも言います。ドリーネの多くは、竪穴を通じて鍾乳洞へとつながっています。