洞窟研究の入門編!洞窟の科学

鍾乳洞の種類

鍾乳石の名前と種類

鍾乳石は石灰岩の洞窟(石灰洞)内に形成される二次生成物と呼ばれるものの一種で、炭酸カルシウム(カルサイト)の結晶である方解石で出来ています。鍾乳石はでき方や形状によって15種類ほどに分類されます。

滴り落ちる水滴により成長するもの(ドリップストーン)

鍾乳管(しょうにゅうかん・ストロー)
つらら石(スタラクタイト)
石 筍(せきじゅん・スタラグマイト)
石 柱(せきちゅう・コラム)
幕状鍾乳石(まくじょうしょうにゅうせき・カーテン/ベーコン)

ドリップストーン(水滴石)

したたり落ちる水滴によって形成される鍾乳石を、ドリップストーンといいます。

ストロー、つらら石、石筍そして石柱は、石灰岩の割目や断層にしみ込んだ 石灰分に富んだ水の働きによって作られます。 その水が洞窟内でしたたり落ちる時に、ほんのわずかな量の方解石を後に残します。 そして長い年月を経て、それは大きなつらら石に成長します。 また、水滴が床などに落ちると、そこには同様にして石筍が形成されます。 つらら石と石筍がそれぞれ成長してくっつくと、石柱になります。

流れる水により成長するもの

流れ石 (フローストーン)
畦石(あぜいし・リムストーン)
洞窟真珠(どうくつしんじゅ・ケイブパール)

結晶そのものの成長によるもの

石花(せっか・アンソダイト)
浮遊カルサイト(フローティングカルサイト)
針状結晶(しんじょうけっしょう・アラゴナイト)

毛細管現象や結晶のゆがみによるもの

曲がり石(まがりいし・ヘリクタイト/ヘリグマイト)

霧状の水滴やその他の要因によるもの

洞窟珊瑚(どうくつさんご・ケイブコーラル)
樹枝状石灰華(じゅしじょうせっかいか・ケイブポップコーン)

石灰分を豊富に溶し込んだ水が地層のすき間を通って洞窟内にしみ出します。そして天井からしたたり落ちたり壁を流れ落ちる時に少しだけ水分が蒸発し、わずかに石灰分があとに残ります。こうして石灰分が長い年月をかけて鍾乳石に成長していきます。

鍾乳石が出来る時の化学反応式

CaHCO3++HCO3- → CO2+H2O+CaCO3
炭酸水素カルシウムイオン 二酸化炭素 水 方解石(炭酸カルシウム)

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